2016年09月19日
怪物たちの潜む島々へ、再び・・・!vol.3
何としても今日、仕留めなければならない・・・
そう決意し、朝食を頬張り準備する。
8月23日早朝。
この日は前回もお世話になった石垣島フィッシングガイドサービス「リトルターン」だ。
もちろん、リトルターンTシャツを装備しての出撃である。

今回、麦わら帽子を新調した。
「麦わらのじゅに」
懸賞金額は5億ベリーなのだ。
(注:船長は後ろの長島キャプテンである)
直ぐお隣では、SALT BRAINチームが出船の準備をしている。
船長はあのFISHERMAN代表の鈴木氏である。

雑誌やテレビでしか見たことのない、GTフィッシング界の第一人者に見送られての、なんとも豪華な船出である。
天気は良好、なんとも贅沢な南の海の清々しい朝である。

この日の予定は、ポイントの移動途中に鳥山が発生したら狙いながら、あくまでターゲットはタマン。
前日に本ガツオをバラして悔しい思いをしたことが既に船長の耳に入っていたようなのだ(笑)
少し沖に出たところでいきなり鳥山に遭遇!
脚が速い。
間違いなくカツオなのである。
船長がうまい具合に風上につけ、私がキャストする。
一投目からドンピシャのところにルアーが入り、白銀の閃光が海面を走り緩めのドラグが唸りを上げる!
開始わずか一投目で本ガツオをキャッチ!

釣れたばかりのカツオの美しさは、例えようがない。
海面から上げずに、このままリリース。
直ぐに船を立て直し、キャスト!ヒット!
ギュイーーン!
ラインが海面を切り、糸鳴りがする。
素晴らしいファイトである。

ルアーはスミスのスーパーサージャー。
こういう釣りにはバッチリなルアーだ。
さらにもう一本追加したところで、次の一匹はキープしようということに。
直ぐにヒットに持ち込むが・・・
頭の中を「タタキ」「刺身」が過ぎった瞬間フックオフ(笑)
さらに次のヒットも「タタキ~!」と叫んだ瞬間にポロリ(笑)
その次のヒットで、「リリースしてやるから~」と騙し騙しファイトしてキャッチ(笑)

う、美しすぎるではないか・・・
私が本ガツオを釣りたかった理由はこれに尽きる。
このブルーは深い海の色を映し続けるあまり、その色に染まってしまったのではないか、と思ってしまうほどなのだ。

最早、どんなカラフルな熱帯魚たちも真っ青な美しさであるのだ。

ROD:MC’works. LIGHTNING 733CR カスタム
REEL:SHIMANO new TWINPOWER SW4000XG
LINE:SUNLINE SALTIMATE CAST AWAY PE 2号 + SYSTEM SHOCK LEADER FC40lbs
このカツオは実家にクール便で直送となった。
まだまだ鳥山を追えば釣れるが、もう十分。
頭を切り替え、タマンを追う。
西表島方面のリーフ。
少し風があり、雰囲気はいい。

前日とは違い、リーフ内でクチナジやアメリカーがコンスタントに釣れてくる。
船長が、まだそこで釣りをしたことはないが、リーフの奥の奥にタマンが好みそうな地形のエリアがあると案内してくれる。
アウトリーフまでこれくらいの距離。

白波が立っている所がリーフエッジである。
突如真っ白な砂地の広大なプールが現れる。
しかし、海水温が異様に高くなったインリーフ。
一番いい場所にルアーが入っても反応してくれるのはアメリカーだけであった。
少し船をずらしてアウトリーフに近いところから流す。

隣で船長がフックの付いていないトップウォータープラグを投げている。
そのルアーに何か出たのでそのすぐ後ろにX-80を投げ入れると着水ヒット!
イシミーバイ!

良型のイシガキハタであった。
アメリカーを追加していき、やはり少しでも外海に近いところの方が活性が高いことが窺えた。
再びイシミーバイ!

これは良型のカンモンハタ。
船長のフックレスペンシルにカスミアジがバイト。
フックが付いていないからか、しつこく何度でもバイト。
咥えて離さないからしばらくファイトして、外れてもさらにバイト(笑)
しかしフエフキ系の魚からなかなかコンタクトはなく、ポイントを移動することに。
水深7mくらいのリーフエッジを釣る。
まずはテキサスリグ。
ワームは、バークレイのガルプ!アライブ!パルスワームの4インチ。
数匹小型の魚を釣るが、あくまでもビッグフィッシュ狙い。
ここでドスン!ときた!!
凄まじい突っ込みを必死にリフト!
やっぱりこの魚は強い・・・!

良型のイノーアカジン!!
赤い目がカッコいい!!
イノーアカジンでこれはなかなかいいサイズだ。

ROD:SHIMANO WORLD SHAULA 2704RS-2
REEL:SHIMANO BIOMASTER SW5000PG
LINE:SUNLINE SALTIMATE CAST AWAY PE 2号 + SYSTEM SHOCK LEADER FC35lbs
さらにもう一匹、サイズダウンだが美しいイノーアカジン。

美しい海、美しい魚たち。

神が創ったとしか思えない配色。

勿論、キャッチ&リリース。
深みにバイブレーションプラグを放り込む。
大きいバイトにフッキングを入れ、ファイト!!
間違いなく今日一番!
しかし・・・

沖縄の海では、ライトゲームでもルアーが破壊される、歯が貫通するなどはよくあることなのだ(笑)
本土の常識は全く通用しない釣りが、ここにはある。
ここで何かのボイルを発見。
船のすぐそばの潮目に何か黒い影が浮かんでおり、時折シラスの群れにアタックしている。
コビアだ。
体長1mはある「スギ」というお化けコバンザメのような魚である。
ペンシルをキャスト。
するとスギの群れの中からカスミアジが割って入ってきてバイト(笑)
フッキングには至らなかった。
これで魚が散ってしまい、再びボトムを攻める。
スプーンのフォール中にクイーンフィッシュが追いかけていくのが見える。
しばらくしてヒット!
スピード感のある良い引き!


クイーンフィッシュ(イケカツオ)。
これも密かに釣りたかった魚の一つだ。
ボトムでいいバイト!
これも初めてお目に掛かる。
ナミハタ。

大きな瞳がかわいい!

しかし、時折クチナジが釣れるだけでフエフキ系の魚からの反応が薄い。
刻々と迫る終了時間。
ここで思い切って大きく移動。
西表島の広大なリーフ。
水深は僅か。
ここでようやく浅場のフエフキが口を使ってくれた。
まずはムネアカクチビ!
小さいがお初の魚。

これもデカくなる魚で、ウムナガー、タマンに並ぶリーフのファイターになる魚である。
いつもの定番魚、ムルー(マトフエフキ)も。

ラパラのCDL-9アバシで。
ムラサメモンガラ。

もう時間が無い。
タマンは何処・・・
もう少し水深のあるポイントを攻めたいと、最後は水深15mライン。
ラスト数流しだ。
ルアーをSTORMのスーパー五目ジグ60gに。
キャスティングでボトムをとって釣っていく。
ズドンッ!!
今日一番のパワーで突っ込むが、ドラグは強く締めていたので強引に浮かせる!
何だ・・・?
青い。
カスミアジか?
いや、コイツは・・・!!

タカバーミーバイ(ツチホゼリ)!!
前回釣ったものより随分とデカい。

この背中の肉厚が凄いのだ。

直ぐに色が変わっていき、美しいターコイズブルーに。

昨日は赤いミーバイ。今日は青いミーバイ。
こんなにも珊瑚礁の似合う魚は他にいない。

色、シルエット、引きの強さ、どれをとっても素晴らしい。
食味も最高だというが、貴重な種、リリースさせていただいた。

ROD:MC.works LIGHTNING 733CR カスタム
REEL:SHIMANO new TWINPOWER SW4000XG
LINE:SUNLINE SALTIMATE CAST AWAY PE 2号 + SYSTEM SHOCK LEADER FC40lbs
もう終了間際だ。
ルアーをバイブレーションプラグに変更し、遠投後のフォールだった・・・!!!
もう少しでボトムかというところで強烈なバイト!!!
フッキングを入れ、巻く!
渾身の力で根から剥がそうとゴリ巻きに入ったところで相手が釣られていることに気づいたようだ・・・。
ギュイ~~ン!!ガガガガッ!!!
ヒラマサ対応のロッドが信じがたいほどブチ曲がり、フルロック寸前まで締め上げていたはずのドラグがあり得ない勢いで唸りを上げた!
タマンだッ
しかし、船長がボートでフォローを入れようとエンジンをオンにしたところでラインがテンションを失った・・・
この間僅か数秒のことだったと思う。
リーダーがあっさりと根に擦られて切れていた。
船長がホントにドラグ締めてたの~?と疑うほどの引きだったのだ。
これ以上締めればメインラインから高切れしていただろう。。
ガーラはバイブレーションのフォールに食ってくることはまずない、ウムナガーやムネアカクチビはあそこまで根に一直線するような魚ではない。
巨大ミーバイでもあれだけのスピードはない。
タマンだった。
魚がデカすぎたのだ。
リトルターンでも時々タマンは釣られているが、獲れるのは60クラスまでだという。
今のは明らかなモンスターサイズ。
記録級の魚だったかもしれない。
今回の旅で唯一のそれらしきヒットは、二日間の最後の最後、超ド級モンスターという結果だったのだ。
「何時も最後に劇的に存在を現す。諦めかけているときに後ろ髪を引くように現れる。
いきなり現れて緩んだ心や、油断している身体に喝を入れていくこともある。
未練を残してもう一度来させるように、逃げて行ったりする。」
浜野安宏 著 ~世界秘境リゾートで巨大魚を釣る!~ より
浜野氏は自身の著書の中で、巨大魚に対してこう述懐しているが、まさにその通りだと感じた。
残り数投のためにリーダーを結び直し、投げ切ったが、終了となった。

今回釣って、終わるつもりだったが・・・
良くも悪くも、また来ねばならない。

あの魚を抱くまでは次の夢へは進めないのだ。
この夜は、居酒屋「錦」が定休日のはずであったので、ひとり適当な居酒屋で再戦を誓っていた。

宿に戻り、荷をまとめていると一本のラインが入った。
「錦にて飲んでます」
小原さんたち「SALT BRAIN」の皆さんからのお誘いだ。
今日は定休日だったが特別に店を開けていたとのこと。
夜10時になろうとしていたが、ホテルを飛び出し、10分後には宴会に飛び込んだ。
今回もまた、やられてしまった。
前回の敗北から抜かりの無い準備をしてきたつもりだった。
しかし、敵わなかった。
相手が悪かったのかもしれない。
しかし、それくらいのモンスターを仕留めたかったんだ。。
釣りバカじゅにの挑戦は続く!
怪物たちの潜む島々へ、再び・・・! 完