2016年06月05日
じゅに’S Expedition ISHIGAKI Isl.!! vol.3
目覚めると、外はどんよりとした雲が立ち込めていた。
5月21日(土)
前夜、ホテルの部屋でノットを組もうとしたら、30lbsのフロロカーボンリーダーが底を尽きかけていた。
出発前に買っていった、シーガーの高級なリーダーラインを15m、初日だけで使い切ってしまったのだ。
あちゃー、手持ちには20lbsと、ナイロンの50lbsしかない。
ホテルで早めの朝食を済ませた後、9時の出船に間に合わせるように「しまつりぐ」へ走る羽目となった。
初日の悔しいラインブレークを思い出し、30lbsから、35lbsに上げてみることにした。
そして、ふと目に留まった珍しいルアーを購入し、急いで港へ向かう。
この日は天気予報によると、八重山地方は強い雨と雷に注意せよ、とのことであった。
強そうな雨雲の下を避けて、長島キャプテン操るフラットボート「リトルターン」はポイント目がけて疾走する。

最初のポイントはかなりのシャローエリア。
昨日とは違い、少し風があり、なんとか船も流れる。
そしていきなりのヒット!

この日の一匹目は、良型のクチナジー(イソフエフキ)。
この個体はアフタースポーンと思われる。
産卵を終え、浅瀬に帰ってきた個体のようだ。
しかし、相変わらずアフターとは思えない強力ファイトであった。
さらに一匹追加したが、シャローに魚の気配は薄く、直ぐに移動。
前日同様、15mまでの水深で根を釣っていく。

昨晩、居酒屋「錦」で購入した、コーモランの「プライヤルバイブ」。
この日は終始こいつが活躍することとなった。
この日も魚たちは元気であった。
次々と掛かってくる。

ナガジューミーバイ(バラハタ)。
バイブレーションプラグのロングリフト&ロングフォールである。

マダラハタ。

イシミーバイ(カンモンハタ)。

ユカタハタ。
フォール中のラインテンションが緩い時にバイトするため、頭からすっぽりである。
フッキングというより、ルアーが口の中で閊(つか)えて抜けなくて釣れてしまった。

小型のシロブチハタ。
強いファイトの正体はアカナーであった。

アカナー(バラフエダイ)。
サイズに似合わぬ太いファイト。

Rod:SHIMANO WORLD SHAULA 2704RS-2
Reel:SHIMANO BIOMASTER SW4000PG
Line:SUNLINE CASTAWAY2.0号+Fluorocarbon35lbs
Lure:コーモラン プライヤルバイブ
いろんなファイターが釣れてくれて楽しいが、タマンとの距離が縮まっているとは思えなかった。
と、そこに長島キャプテンにいいバイト!
大きくはない、とは言っているもののなかなか浮いてこない!
何度も突っ込み、シイラキャスティングクラスのロッドを引き絞る!
こ、こいつぁ・・・

タマン!!!

て、このサイズであれだけ引くのかっ!
ルアーはエクリプスのドリフトペンシル。
ドリペンがタマンに有効なことを知って持参してはいたが、前日にカツオらしきにラインブレークされていた。
この一匹で俄然闘志に火が付く!
僕もルアーをシンペンに戻す。

シロブチハタ。
まずまずのサイズだ。

長島キャプテンもクチナジーなどを連発している。

もちろん僕も。
この日はワームの出番はなかった。
それほどまでに釣れ続いた。

クチナジー(タテシマフエフキ)。
ここに乗せた写真の数倍釣った。
再び長島キャプテンが良い魚を掛けた!

簡単には寄ってこない。

南海の目まぐるしい生態系の中で生きていくには、これだけのパワーが要る、ということなのかもしれない。

アカナーはこのサイズが一番美しい。
ちなみにルアーは格安のメタルバイブ。
市販価格は200円前後(笑)
船長が僕にも一つくれた。
このアカナーも最近はその数を減らしているという。
環境汚染のバロメーター的魚で、この魚の多い海域は元気な証拠なのだという。
パラオではたくさん見たが、確かに石垣では少なかった。
早速いただいたルアーを試す。

最早セコ釣りの域である(笑)
やっぱりシンペンで、とルアーを替えるといいバイト!

ジャンボサイズのシロブチハタだ。

これまた頭から丸呑みである。

船長に再びビッグバイト!
一度根に潜られてしまったが、なんとか出てきた。
それにしてもすさまじいファイト。
タマンではなさそうだけど、なんかデカい魚です、と船長。
おおっ!コイツは・・・!!

で、出たぁ~!ジキラン!!!

ジキラン(ゴマモンガラ)。
英名を、トリガーフィッシュ。
フライを用いたシャローフラットのサイトフィッシングで最近脚光を浴びている魚だ。

とんでもないファイターだった。
メタルバイブは変形し、フックは強靭な顎と牙で折られ、スプリットリングもグニャリと伸びてしまった。
もちろん、フックもリングも強力なものに交換されてはいたのだが・・・
相変わらずの僕には良型のアメリカー。

コイツはコイツでよく引くのだが・・・

タマンとの出会いを信じ、投げ続ける。
船長が鳥山を発見!
カツオらしき影がベイトフィッシュをリーフに追い詰めていた。
ルアーをプレスベイトに変え、船長が風上に船をつけたところでキャスト!
着水と同時にヒットするが、口が堅く、フックオフ。
次のチャンスで再びバイト!
今度は掛けた!!
ギュィィ~~ン!とハイスピードファイト!
結構時間がかかってしまった。
船長はリリースを考えていたが、弱ってしまったためキープとなった。

弾丸ランナー、スマガツオ。
腹部の黒斑がトレードマークだ。

Rod:SHIMANO WORLD SHAULA 2704RS-2
Reel:SHIMANO BIOMASTER SW4000PG
Line:SUNLINE CASTAWAY2.0号+Fluorocarbon35lbs
Lure:DUO Press Bait
この後も何度か射程には入ったが、フッキングには持ち込めなかった。
再びブレイクラインでのタマン狙いへ。
バイブレーションプラグを回収中に何かに触ったので、軽くキャストし、ボトムからリトリーブで
ドン!
なかなかのファイトで上がってきたのは

ミミジャー(ヒメフエダイ)!
このサイズはかなりの良型だそうだ。
沖縄屈指の高級魚。
もう少し小さくて、大皿一枚に収まるサイズが最も高値で取引されるそうだ。

Rod:SHIMANO WORLD SHAULA 2704RS-2
Reel:SHIMANO BIOMASTER SW4000PG
Line:SUNLINE CASTAWAY2.0号+Fluorocarbon35lbs
Lure:コーモラン プライヤルバイブ
今回はリリース。
一向にタマンからのコンタクトはない。
他の魚はいくらでも釣れるのだが・・・


このルアーが、今朝「しまつりぐ」で購入した、「オシアバイブ」。
かなり古いパッケージだった。
アオヤガラも釣れた。
ヌメリが凄いらしい。。
ファイト中に体側を何者かに一噛みされていた。

英名、トランペットフィッシュ。
始めて釣ったが、この細い体のどこにあれだけのパワーがあるのか、と思ってしまうほどの引きであった。
しかしどの魚もタマンの牛ファイトには及ばない。
強烈なバイトが欲しい!と思っていたところに凄いアタリが来た!
必死の応戦である。
一度根に張り付かれたが、なんとか浮いてくれた。
中層でも根に入られたかのように動かない引きを見せる。
タマンか・・・!?
しかし船長はタマンならもっと根に走るという。
案の定浮いた魚は違った。
でも、これはこれで凄かった!!

ウムナガー(キツネフエフキ)!!
やっぱり強い。
ひたすらに強い魚である。
この尾鰭、引かないわけがない。

Rod:SHIMANO WORLD SHAULA 2704RS-2
Reel:SHIMANO BIOMASTER SW4000PG
Line:SUNLINE CASTAWAY2.0号+Fluorocarbon35lbs
Lure:コーモラン プライヤルバイブ

英名、エンペラー・スナッパー。
皇帝の名を持つ魚である。
エア抜きし、丁重にリリースされた。
終了時間が迫っていた。
雨脚の強い暗雲を避け、西表島のリーフに入った。
少し今までと雰囲気の違うエリア。
1m未満のシャローの中にいくつも走るスリットを狙う。
クチナジーや、アメリカ―が少し釣れたが、全体的に気配は薄い。
こういうところって、一発出そうですね、と船長と話していた。
ルアーを、メガバスのX-80SWの赤金に替えた。
スリットの深みに投げ込み、シャローへの駆け上がりを通す。
ドガガガッ!!!!
強烈バイト!!!
ウムナガーには慌てず対処できたが、コイツは違うッ!!
一瞬、リールが壊れそうな感触があり、フックは大丈夫か、リングは、リーダーは・・・
いろんな不安を一気に募らせるほどの暴力的ファイト!!
船長がボートでフォローを入れようとする、が、一瞬の隙を突かれ、根に巻かれてしまった。。
うっすらと白っぽい魚体が確認できた。
良型のタマンに違いなかった・・・
その後、PE2号はあっさりと破断した。
あまりにも圧倒的すぎる敗北であった。
悔やんでも悔やみきれない一瞬の隙。
リールをブッ壊してでも止めねばならなかったのだ。
タマン。
それは紛れもないリーフの横綱、”最強”そのものだった・・・
悔しさに食いつくされそうになっていた僕に、最後に海の神様がプレゼントをくれた。

ターコイズブルーの魚体。
タカバーミーバイ(ツチホゼリ)である。
滅多に釣れない魚で、船長も一年に一匹釣れるか、と言っていた。

美しい魚体、強力ファイト。
カッコいい魚であった。
最後までチャンスはあると、投げ続けたが、釣れたのはお馴染の面々ばかり。

マダラハタ。
すっかり常連さんである。

物凄く綺麗なクチナジーが釣れた。
今回、この魚には本当にお世話になったのだ。
このルアーにも本当にお世話になったのだ。

塗装が強く、あれだけ釣ったのにボロボロにならなかった。

小雨が降りつける中、ボートは港へ戻った。
スロープでは、船長の奥さんと、娘さんが待っていた。
今度こそ、タマンを仕留めます。また来ます。
そう言って別れを告げた。
タマンこそ手中には出来なかったものの、この旅では本当にたくさんの魚が釣れ、楽しかった。
旅のすべての思い出を抱え、この夜も居酒屋「錦」に入り浸った。

海ブドウのぷちぷちとした食感と、オリオンビール。
タマンへの想い・・・
カウンターに座っていた知らないおじさんと乾杯。。
すでに頭の中では次回釣行でリベンジする姿が描かれており、タマンがぐるぐると群れを成して泳ぎ回っていた。
このタマンはブログを書いている今現在も頭の中に陣取っており、釣るまで出ていかないおつもりのようなのだ。
いや、釣ってしまったらもっと凄いことになるのかもしれないナ。。
翌朝、なんとか雨には降られずに空港に着いた。
しかし、待合ロビーに入るや否や、豪雨が降り注いだ。
僕が帰るまで何とか堪えてくれたお天ど様にも感謝しなくてはならない旅であった。
じゅにのExpedition 完
5月21日(土)
前夜、ホテルの部屋でノットを組もうとしたら、30lbsのフロロカーボンリーダーが底を尽きかけていた。
出発前に買っていった、シーガーの高級なリーダーラインを15m、初日だけで使い切ってしまったのだ。
あちゃー、手持ちには20lbsと、ナイロンの50lbsしかない。
ホテルで早めの朝食を済ませた後、9時の出船に間に合わせるように「しまつりぐ」へ走る羽目となった。
初日の悔しいラインブレークを思い出し、30lbsから、35lbsに上げてみることにした。
そして、ふと目に留まった珍しいルアーを購入し、急いで港へ向かう。
この日は天気予報によると、八重山地方は強い雨と雷に注意せよ、とのことであった。
強そうな雨雲の下を避けて、長島キャプテン操るフラットボート「リトルターン」はポイント目がけて疾走する。

最初のポイントはかなりのシャローエリア。
昨日とは違い、少し風があり、なんとか船も流れる。
そしていきなりのヒット!

この日の一匹目は、良型のクチナジー(イソフエフキ)。
この個体はアフタースポーンと思われる。
産卵を終え、浅瀬に帰ってきた個体のようだ。
しかし、相変わらずアフターとは思えない強力ファイトであった。
さらに一匹追加したが、シャローに魚の気配は薄く、直ぐに移動。
前日同様、15mまでの水深で根を釣っていく。

昨晩、居酒屋「錦」で購入した、コーモランの「プライヤルバイブ」。
この日は終始こいつが活躍することとなった。
この日も魚たちは元気であった。
次々と掛かってくる。

ナガジューミーバイ(バラハタ)。
バイブレーションプラグのロングリフト&ロングフォールである。

マダラハタ。

イシミーバイ(カンモンハタ)。

ユカタハタ。
フォール中のラインテンションが緩い時にバイトするため、頭からすっぽりである。
フッキングというより、ルアーが口の中で閊(つか)えて抜けなくて釣れてしまった。

小型のシロブチハタ。
強いファイトの正体はアカナーであった。

アカナー(バラフエダイ)。
サイズに似合わぬ太いファイト。

Rod:SHIMANO WORLD SHAULA 2704RS-2
Reel:SHIMANO BIOMASTER SW4000PG
Line:SUNLINE CASTAWAY2.0号+Fluorocarbon35lbs
Lure:コーモラン プライヤルバイブ
いろんなファイターが釣れてくれて楽しいが、タマンとの距離が縮まっているとは思えなかった。
と、そこに長島キャプテンにいいバイト!
大きくはない、とは言っているもののなかなか浮いてこない!
何度も突っ込み、シイラキャスティングクラスのロッドを引き絞る!
こ、こいつぁ・・・

タマン!!!

て、このサイズであれだけ引くのかっ!
ルアーはエクリプスのドリフトペンシル。
ドリペンがタマンに有効なことを知って持参してはいたが、前日にカツオらしきにラインブレークされていた。
この一匹で俄然闘志に火が付く!
僕もルアーをシンペンに戻す。

シロブチハタ。
まずまずのサイズだ。

長島キャプテンもクチナジーなどを連発している。

もちろん僕も。
この日はワームの出番はなかった。
それほどまでに釣れ続いた。

クチナジー(タテシマフエフキ)。
ここに乗せた写真の数倍釣った。
再び長島キャプテンが良い魚を掛けた!

簡単には寄ってこない。

南海の目まぐるしい生態系の中で生きていくには、これだけのパワーが要る、ということなのかもしれない。

アカナーはこのサイズが一番美しい。
ちなみにルアーは格安のメタルバイブ。
市販価格は200円前後(笑)
船長が僕にも一つくれた。
このアカナーも最近はその数を減らしているという。
環境汚染のバロメーター的魚で、この魚の多い海域は元気な証拠なのだという。
パラオではたくさん見たが、確かに石垣では少なかった。
早速いただいたルアーを試す。

最早セコ釣りの域である(笑)
やっぱりシンペンで、とルアーを替えるといいバイト!

ジャンボサイズのシロブチハタだ。

これまた頭から丸呑みである。
船長に再びビッグバイト!
一度根に潜られてしまったが、なんとか出てきた。
それにしてもすさまじいファイト。
タマンではなさそうだけど、なんかデカい魚です、と船長。
おおっ!コイツは・・・!!

で、出たぁ~!ジキラン!!!

ジキラン(ゴマモンガラ)。
英名を、トリガーフィッシュ。
フライを用いたシャローフラットのサイトフィッシングで最近脚光を浴びている魚だ。

とんでもないファイターだった。
メタルバイブは変形し、フックは強靭な顎と牙で折られ、スプリットリングもグニャリと伸びてしまった。
もちろん、フックもリングも強力なものに交換されてはいたのだが・・・
相変わらずの僕には良型のアメリカー。

コイツはコイツでよく引くのだが・・・

タマンとの出会いを信じ、投げ続ける。
船長が鳥山を発見!
カツオらしき影がベイトフィッシュをリーフに追い詰めていた。
ルアーをプレスベイトに変え、船長が風上に船をつけたところでキャスト!
着水と同時にヒットするが、口が堅く、フックオフ。
次のチャンスで再びバイト!
今度は掛けた!!
ギュィィ~~ン!とハイスピードファイト!
結構時間がかかってしまった。
船長はリリースを考えていたが、弱ってしまったためキープとなった。

弾丸ランナー、スマガツオ。
腹部の黒斑がトレードマークだ。

Rod:SHIMANO WORLD SHAULA 2704RS-2
Reel:SHIMANO BIOMASTER SW4000PG
Line:SUNLINE CASTAWAY2.0号+Fluorocarbon35lbs
Lure:DUO Press Bait
この後も何度か射程には入ったが、フッキングには持ち込めなかった。
再びブレイクラインでのタマン狙いへ。
バイブレーションプラグを回収中に何かに触ったので、軽くキャストし、ボトムからリトリーブで
ドン!
なかなかのファイトで上がってきたのは

ミミジャー(ヒメフエダイ)!
このサイズはかなりの良型だそうだ。
沖縄屈指の高級魚。
もう少し小さくて、大皿一枚に収まるサイズが最も高値で取引されるそうだ。

Rod:SHIMANO WORLD SHAULA 2704RS-2
Reel:SHIMANO BIOMASTER SW4000PG
Line:SUNLINE CASTAWAY2.0号+Fluorocarbon35lbs
Lure:コーモラン プライヤルバイブ
今回はリリース。
一向にタマンからのコンタクトはない。
他の魚はいくらでも釣れるのだが・・・


このルアーが、今朝「しまつりぐ」で購入した、「オシアバイブ」。
かなり古いパッケージだった。
アオヤガラも釣れた。
ヌメリが凄いらしい。。
ファイト中に体側を何者かに一噛みされていた。

英名、トランペットフィッシュ。
始めて釣ったが、この細い体のどこにあれだけのパワーがあるのか、と思ってしまうほどの引きであった。
しかしどの魚もタマンの牛ファイトには及ばない。
強烈なバイトが欲しい!と思っていたところに凄いアタリが来た!
必死の応戦である。
一度根に張り付かれたが、なんとか浮いてくれた。
中層でも根に入られたかのように動かない引きを見せる。
タマンか・・・!?
しかし船長はタマンならもっと根に走るという。
案の定浮いた魚は違った。
でも、これはこれで凄かった!!

ウムナガー(キツネフエフキ)!!
やっぱり強い。
ひたすらに強い魚である。
この尾鰭、引かないわけがない。

Rod:SHIMANO WORLD SHAULA 2704RS-2
Reel:SHIMANO BIOMASTER SW4000PG
Line:SUNLINE CASTAWAY2.0号+Fluorocarbon35lbs
Lure:コーモラン プライヤルバイブ
英名、エンペラー・スナッパー。
皇帝の名を持つ魚である。
エア抜きし、丁重にリリースされた。
終了時間が迫っていた。
雨脚の強い暗雲を避け、西表島のリーフに入った。
少し今までと雰囲気の違うエリア。
1m未満のシャローの中にいくつも走るスリットを狙う。
クチナジーや、アメリカ―が少し釣れたが、全体的に気配は薄い。
こういうところって、一発出そうですね、と船長と話していた。
ルアーを、メガバスのX-80SWの赤金に替えた。
スリットの深みに投げ込み、シャローへの駆け上がりを通す。
ドガガガッ!!!!
強烈バイト!!!
ウムナガーには慌てず対処できたが、コイツは違うッ!!
一瞬、リールが壊れそうな感触があり、フックは大丈夫か、リングは、リーダーは・・・
いろんな不安を一気に募らせるほどの暴力的ファイト!!
船長がボートでフォローを入れようとする、が、一瞬の隙を突かれ、根に巻かれてしまった。。
うっすらと白っぽい魚体が確認できた。
良型のタマンに違いなかった・・・
その後、PE2号はあっさりと破断した。
あまりにも圧倒的すぎる敗北であった。
悔やんでも悔やみきれない一瞬の隙。
リールをブッ壊してでも止めねばならなかったのだ。
タマン。
それは紛れもないリーフの横綱、”最強”そのものだった・・・
悔しさに食いつくされそうになっていた僕に、最後に海の神様がプレゼントをくれた。

ターコイズブルーの魚体。
タカバーミーバイ(ツチホゼリ)である。
滅多に釣れない魚で、船長も一年に一匹釣れるか、と言っていた。
美しい魚体、強力ファイト。
カッコいい魚であった。
最後までチャンスはあると、投げ続けたが、釣れたのはお馴染の面々ばかり。
マダラハタ。
すっかり常連さんである。

物凄く綺麗なクチナジーが釣れた。
今回、この魚には本当にお世話になったのだ。
このルアーにも本当にお世話になったのだ。

塗装が強く、あれだけ釣ったのにボロボロにならなかった。

小雨が降りつける中、ボートは港へ戻った。
スロープでは、船長の奥さんと、娘さんが待っていた。
今度こそ、タマンを仕留めます。また来ます。
そう言って別れを告げた。
タマンこそ手中には出来なかったものの、この旅では本当にたくさんの魚が釣れ、楽しかった。
旅のすべての思い出を抱え、この夜も居酒屋「錦」に入り浸った。

海ブドウのぷちぷちとした食感と、オリオンビール。
タマンへの想い・・・
カウンターに座っていた知らないおじさんと乾杯。。
すでに頭の中では次回釣行でリベンジする姿が描かれており、タマンがぐるぐると群れを成して泳ぎ回っていた。
このタマンはブログを書いている今現在も頭の中に陣取っており、釣るまで出ていかないおつもりのようなのだ。
いや、釣ってしまったらもっと凄いことになるのかもしれないナ。。
翌朝、なんとか雨には降られずに空港に着いた。
しかし、待合ロビーに入るや否や、豪雨が降り注いだ。
僕が帰るまで何とか堪えてくれたお天ど様にも感謝しなくてはならない旅であった。
じゅにのExpedition 完